月光天文台、吉川先生のはやぶさ講演会(前編)
2010年 08月 24日
申し込んでから当日が仕事ということに気がついたのですが、午後から有給取れたのと今までなら伊豆方面に向かう車の大渋滞で沼津から1時間以上かかっていたのが、東駿河湾環状道路が開通したおかげで30分もかからず行けるようになったので無事時間に間に合いました。
講演会はプラネリウムで行われました、メモるにリクライニングする椅子が結構辛い・・・
講演内容ははやぶさの帰還運用中心にした内容でしたが、冒頭で時間があればはやぶさ2にも…と話したあとに「若い人達は一緒にやりませんか?」との話も。ミッションが長期化するので今小学生とかでもまだまだ間に合うとのこと。
カプセルのリエントリーの画像やビデオの紹介から「はやぶさの衝撃1」と題して帰還したらなんか異様にマスコミの取材が…w、その後本来「はやぶさの衝撃」として講演などに使っていた微小小天体のお話。はやぶさ以前は微小小天体がこれほど細かく複雑な形状だったとは思っていなかった。
ここでイトカワの1/2000モデルが2つ、なぜ2つ?かというと着陸のために急いで作った初期モデル(写真奥)とそのご色々データの整合性を検証しながら正確に作った後期モデル。(写真手前)
※シャーレに入ってるのは同スケールのはやぶさです。
その後は他の探査機の映像を交えながら小惑星についての解説、ただいままでの探査機でははやぶさのようにイトカワみたいな小さなものをじっくり観察した例はない、時間の都合で全部は紹介できないけれどそのひとつとしてその構造と生成について、生成のシュミレーション映像とHBTTEのイトカワ真っ二つ映像を紹介。
再び地球帰還運用の話、一番心配だったのは分離に関する機構がしっかり動いてくれるかどうか。もしうまく分離できなくてもそれなりにカプセルを回収できる(カプセルだけは残る)という可能性は高かったそうですが、それでもやはり心配。分離以降は再突入・回収そして日本帰還と非常にスピーディーでおそらくはやぶさミッションでは一番順調に行ったのではないかw
エンジンや姿勢制御にトラブルを抱えきったはやぶさで、地球帰還軌道への調整が一番の難関。いきなりオーストラリアへの軌道は取れないので10日前のTCM-3でオーストラリア政府の許可をとって再突入軌道に入れた。使えるのがイオンエンジンしか無いので化学エンジンが使えればすぐ終わる軌道修正も何日もかかって行なった。軌道修正の精度が高かったので予定された落下エリアもかなり絞り込めた上に、当日現地は風がなかったのでほぼ真ん中に落とすことができた。
落ちる前に日本上空を通過するので観測を試みたが梅雨空で出来なかった、マウナケアのすばる天文台では撮影できた。はやぶさから最後に撮影した地球の画像も紹介。
長くなるので、後編に続きます。